
小学4年生頃まで、そして手術のあと
音は聞こえても、 どこからかは、分からなかった。
テレビの音量を、ほかの人が聞くときの3倍くらいにしないと、聞こえませんでした。自分の声が大きいことも、私には特別なことではありませんでした。それが、自分にとっての普通だったからです。
誰かに呼ばれても、どちらを向けばいいのか分からない。後ろから近づく車の音も、分からない。手術のあと、音に前後や近さ、遠さがあると知りました。世界が平面から立体になったような感覚でした。
手術をしたら、すべてが終わったわけではありません。その後も耳の状態によって聞こえ方は変わりました。中学生の頃、窓から声をかけられても、どの窓から呼ばれたのか分からないことがありました。









